2012年 11月 18日
小磯良平の世界展 |
神戸市東灘区の六甲アイランドへ、JR「住吉」駅から阪神「魚崎」駅経由で六甲ライナーという無人のモノレールが走っている。「アイランド北口」駅を下りてすぐ、ガラス壁にコンクリートがカーブする瀟洒な美術館があり、周囲の舗道や林にいまが盛りの紅葉が燃え上がる。神戸市立小磯記念美術館が今年開館20周年にあたり、また来年2013年が画伯の生誕110年にあたることから今、小磯良平の特別展が開催されている。
小磯良平の絵はなによりも「わかりやすい」のがいい。無理に理屈をつけて理解する必要がない。皮膚感覚で自然に受け入れればいい。だからいつも身近にある絵として親しんでいる。
今回印象的なのは「練習場の踊り子達」が美しい。バレエの踊り子の絵はドガの影響を受けたという。チュチュの白が強烈に浮かび上がり全体の陰翳が鮮やかだ。大きな「裁縫女」もいい。面白かったのは小磯良平に「フランス女」という顔が左向きの婦人像があって、ロートレックの「マルセル」にそっくり、よく似ていると思った。家に帰って「マルセル」を見ると顔の向きは右向きだし髪型もやっぱりちがう。それでもあの小磯の絵は、ロートレックを彷彿とさせる。そのことに初めて気づいたのだった。
by kumamotoyukioch
| 2012-11-18 21:47
| 美術