2014年 10月 12日
青列車の秘密 The Mystery of the Blue Train |
アガサ・クリスティの長編推理小説「青列車の秘密」The Mystery of the Blue Train は、ボクが初めて名探偵ポワロと出会った作品です。高校時代の英語の先生は、たしか老ライオンというあだ名の藤原先生。黄色い指先の持ち主でした。高校二年でサマセット・モームの「雨」を終え、「青列車の秘密」がテキストに取り上げられたのは高校三年(1959)だったと思います。学校の授業で推理小説、クリスティの原書を読むなんて、なんと興味深く素晴らしいことでしょう。けれども、ポワロという奇妙な探偵と「青列車の秘密」という書名に強烈な印象を受けただけで、この英語の原書をこの授業で最後まで読み終えた記憶はありません。
BBCのテレビドラマ「名探偵ポワロ」が先頃、25年の歴史を閉じました。これまで放送された「ポワロ」はすべて二カ国語の吹き替え版でしたが、いまこれまでの長編が画面のきれいなHD、字幕版で再放送が始まっています。そして久しぶりになつかしい作品「青列車の秘密」を、英語・字幕版で見ることができました。もしあのころ「青列車」が「夜行寝台特急ブルートレイン」なんて訳されていたら、こんなに素敵な「カビ臭い思い出」を残してくれなかったでしょう。
by kumamotoyukioch
| 2014-10-12 20:46
| 文学