2015年 01月 15日
阪神淡路大震災のころ創作ミュージカルを |
ゆっさゆっさと大揺れに揺れた直後、ともかくは屋外に脱出して、妻とふたりの娘、そしてお隣りの老夫婦と一緒に、JR線路沿いの楠公園に避難しました。集まっていたのは家屋の全半壊のひとたちだったでしょう。あのとき見た、不思議な光景をまるで映画のように覚えているのですね。
朝靄(あさもや)が立ちこめるなか、沢山の人々が、黙ってうなだれて、神戸方面に向かうJRの線路を歩いてやってくる、まるで葬列のようでした。スキー帰りの夜行列車の乗客が交通手段も途切れて、神戸方面のわが家に帰る途次だったのでしょう。夜が明けて、自宅に戻ってみると、ご近所には無傷のお家もありながら、わが家の無残な壊れかた。みんなの命がよく助かったものだと思いました。
1995年1月17日早朝の阪神淡路大震災。前々日1月15日にはフエスティバルホールでミュージカル「詩人の恋または影法師」が初演されました。昨年6月に亡くなった林隆三さん、宝塚スターだった安奈淳さんを主役に迎え、東宝ミュージカルの若手スターやパントマイム、モダンバレエなどが出演。「ホフマン物語」に材をとった4つのオムニバス・ドラマは意欲的な創作でした。ボクが脚本を書き、音楽は浦山迅、演出は大西豊彦、制作は電通でした。1月20日に予定されていた東京中野サンプラザ公演は、この震災のため中止になりました。
by kumamotoyukioch
| 2015-01-15 20:07
| あの日あの頃