2012年 10月 30日
和泉式部 もの思ひにあくがれ出づる魂 |
京都はすっかり犯罪の街になりました。テレビドラマの話です。
鴨川や神社仏閣を歩けばいつでも、
科捜研のまり子さんや鶴丸検事、おみやさんや杉浦記者、
キャサリンや狩矢警部父娘たちに会うことができますね。
音やんもふと顔をみせるかもしれません。
そしてこのほど真矢みきさんが演じる「捜査地図の女・珠子」が
京都の犯罪捜査に加わりました。
前に織田裕二さんのテレビドラマ「外交官黒田康作」で
柴咲コウさんが演じた役とよく似ていますが、
こちらはとても元気がよくて京都の名所を精力的に歩きます。第1回を見ました。
ホテルの便せんに残された筆圧から「沢の蛍」と読める。
捜査班の誰もが答えられないところ、
班長の中村梅雀さんが「和泉式部だよ」と割り込んでくる。
「もの思へば沢の蛍もわが身より
あくがれいづる魂かとぞ見る」
(和泉式部集、後拾遺和歌集)
このシーン、中村梅雀さんがかっこいい。
京都府警捜査一課に和泉式部をそらんじて言えるひとがいる!
お茶の間でひとり大騒ぎをしたのです。
和泉式部に関係ある場所?
貴船神社に歌碑がある。
新京極の誠心院に墓所がある。
太秦に和泉式部町って地名があるわ…。
そこはまあ、テレビドラマだからするすると調子がいい。
和泉式部の歌の意味は「物思いにふけると沢の蛍も
わたしのからだから離れた魂のように思えます」。
角川新版古語辞典によりますと「あくがる」は「憧れ」。
肉体から魂が離れることのようです。
もの思ひにあくがれ出づる魂…となると
すぐに葵の上の物語の六条御息所を想像しますよね。
探してみると「あくがる」ありました。
「身一つの憂き嘆きよりほかに、
人を悪しかれなど思ふ心もなけれど、
もの思ひにあくがるなる魂はさもやあらむ」
(源氏物語「葵」第二章・第三段・二)
他人の身の上に悪しかれと思う心はみじんもないのに、
私の魂があくがれ出たとすればなんと浅ましいことだ。
六条御息所の生き霊は夕霧を産んだ葵を死なせてしまいます。
こちらはこわい話です。
そこで源氏はさておいて、なんだか和泉式部。
ちょっと浮気がしたくなりました。
けれども貴船神社までの「あくがれあるき」。
まず息切れしてしまうにちがいありません。
鴨川や神社仏閣を歩けばいつでも、
科捜研のまり子さんや鶴丸検事、おみやさんや杉浦記者、
キャサリンや狩矢警部父娘たちに会うことができますね。
音やんもふと顔をみせるかもしれません。
そしてこのほど真矢みきさんが演じる「捜査地図の女・珠子」が
京都の犯罪捜査に加わりました。
前に織田裕二さんのテレビドラマ「外交官黒田康作」で
柴咲コウさんが演じた役とよく似ていますが、
こちらはとても元気がよくて京都の名所を精力的に歩きます。第1回を見ました。
ホテルの便せんに残された筆圧から「沢の蛍」と読める。
捜査班の誰もが答えられないところ、
班長の中村梅雀さんが「和泉式部だよ」と割り込んでくる。
「もの思へば沢の蛍もわが身より
あくがれいづる魂かとぞ見る」
(和泉式部集、後拾遺和歌集)
このシーン、中村梅雀さんがかっこいい。
京都府警捜査一課に和泉式部をそらんじて言えるひとがいる!
お茶の間でひとり大騒ぎをしたのです。
和泉式部に関係ある場所?
貴船神社に歌碑がある。
新京極の誠心院に墓所がある。
太秦に和泉式部町って地名があるわ…。
そこはまあ、テレビドラマだからするすると調子がいい。
和泉式部の歌の意味は「物思いにふけると沢の蛍も
わたしのからだから離れた魂のように思えます」。
角川新版古語辞典によりますと「あくがる」は「憧れ」。
肉体から魂が離れることのようです。
もの思ひにあくがれ出づる魂…となると
すぐに葵の上の物語の六条御息所を想像しますよね。
探してみると「あくがる」ありました。
「身一つの憂き嘆きよりほかに、
人を悪しかれなど思ふ心もなけれど、
もの思ひにあくがるなる魂はさもやあらむ」
(源氏物語「葵」第二章・第三段・二)
他人の身の上に悪しかれと思う心はみじんもないのに、
私の魂があくがれ出たとすればなんと浅ましいことだ。
六条御息所の生き霊は夕霧を産んだ葵を死なせてしまいます。
こちらはこわい話です。
そこで源氏はさておいて、なんだか和泉式部。
ちょっと浮気がしたくなりました。
けれども貴船神社までの「あくがれあるき」。
まず息切れしてしまうにちがいありません。
by kumamotoyukioch
| 2012-10-30 22:30
| 文学