2014年 12月 17日
寒い雨の日 |
うろ覚えという記憶がたくさんある。何気ない拍子にふと思い出されて、はてどこで読んだ話か、誰から聞いた話かと、記憶から滲み出たひとつの話が気にかかる。
「偉いお坊さんがいた。余りに寒いので、仏様を燃やして暖を取ったところ、ひとに見つかった。坊さんは、この仏様の骨を拾うのだと言った。そのひとは、木の仏に骨などあるものですかと食いついた。偉い坊さんは、骨もない仏なら焼かれても文句はあるまい、と答えたそうだ」。昨日は兄の骨を拾った。寒い雨の日だった。
浄土真宗のお葬式でした。通夜と初七日の2回、有名な蓮如上人による「白骨の御文」が語られました。
「…されば、朝には紅顔ありて、
夕には白骨となれる身なり。」
花月真さんが台本を書かれたオペラ「親鸞」のタイトル「幻の如くなる一期」は、この「白骨の御文」からとられたものでした。
「それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、
おほよそはかなきものは この世の始中終、
幻のごとくなる一期なり」。
by kumamotoyukioch
| 2014-12-17 10:50
| 日常