2018年 06月 28日
ありあけのつきを まちいでつるかな |
小倉百人一首 歌番号=21
そせいほうし
素性法師(出典 古今集)
今こむと言ひしばかりに長月の
有明の月を待ちいでつるかな
いまこむと いひしばかりに ながつきの
ありあけのつきを まちいでつるかな
《我流抄訳》
いま行くよと
言って寄こしたのに
もう秋も終わり
待ち続けて見たのは
《我流意訳》
《内緒話》
「有明の月」は、夜更けに昇って、夜明けまで空に残っている。満月を過ぎた十六夜以降の月をいう。
陰暦の九月。晩秋。夜は長い。
あなたが来るか来るかと待ち続けて、いつも明け方の月を見ます。「すぐに行くよ」と言って寄こしてそれっきり。待ち人来たらずの月を見るのも、もう慣れっこになってしまいましたよ。待つ身の恨み辛みがあんまり感じられないのは、この歌、男が女の立場で詠っているからでしょう。あっさりとして、しつこくないのがいいのかも知れませんね。
そせいほうし
素性法師(出典 古今集)
今こむと言ひしばかりに長月の
有明の月を待ちいでつるかな
いまこむと いひしばかりに ながつきの
ありあけのつきを まちいでつるかな
《我流抄訳》
いま行くよと
言って寄こしたのに
もう秋も終わり
待ち続けて見たのは
明け方の月ばかり
《我流意訳》
すぐ行くよとおっしゃったから
秋の夜長、待ってましたよ
でも、もう有明の月が
出てしまったじゃありませんか。
秋の夜長、待ってましたよ
でも、もう有明の月が
出てしまったじゃありませんか。
《内緒話》
「有明の月」は、夜更けに昇って、夜明けまで空に残っている。満月を過ぎた十六夜以降の月をいう。
陰暦の九月。晩秋。夜は長い。
あなたが来るか来るかと待ち続けて、いつも明け方の月を見ます。「すぐに行くよ」と言って寄こしてそれっきり。待ち人来たらずの月を見るのも、もう慣れっこになってしまいましたよ。待つ身の恨み辛みがあんまり感じられないのは、この歌、男が女の立場で詠っているからでしょう。あっさりとして、しつこくないのがいいのかも知れませんね。
作者素性法師(そせいほうし)は、あの五節舞の「をとめの姿しばしとどめん」がために、「天に昇る雲の階段の、扉を閉めてくれと、風に頼んだ」僧正遍昭(歌番号=12)の子。坊主札にはいい歌が多いですね。
by kumamotoyukioch
| 2018-06-28 20:52
| 文学