2018年 07月 02日
ひとにしられで くるよしもがな |
小倉百人一首 歌番号=25
さんじょうのうだいじん
三条右大臣(出典 後撰集)
名にしおはば逢坂山のさねかづら
人に知られでくるよしもがな
なにしおはば あふさかやまの さねかづら
ひとにしられで くるよしもがな
《我流抄訳》
その名のとおり
逢坂山のさねかづら
蔓(つる)をつたって
忍びたい
《我流意訳》
逢坂山のさねかづらよ、
その名の通りなら、
蔓をたぐりよせ
地を這い
人に知られないで
忍べる路はないものか
《内緒話》
困った。読んでみて直感的に絵が浮かばない。「名にしおはば逢坂山のさねかづら」がさっぱり分からない。「さねかづら」は古語辞典にも絵入りで出ている。また「さねかづら」は「さ寝」というベッドインの意味を掛けているという説明も参考書にはあった。「さねかづら」の蔓(つる)をたぐり寄せるように、人に知られず、あなたとの逢瀬をつくれないか。というのがいろいろな解釈の要約である。
さんじょうのうだいじん
三条右大臣(出典 後撰集)
名にしおはば逢坂山のさねかづら
人に知られでくるよしもがな
なにしおはば あふさかやまの さねかづら
ひとにしられで くるよしもがな
《我流抄訳》
その名のとおり
逢坂山のさねかづら
蔓(つる)をつたって
忍びたい
《我流意訳》
逢坂山のさねかづらよ、
その名の通りなら、
蔓をたぐりよせ
地を這い
人に知られないで
忍べる路はないものか
《内緒話》
困った。読んでみて直感的に絵が浮かばない。「名にしおはば逢坂山のさねかづら」がさっぱり分からない。「さねかづら」は古語辞典にも絵入りで出ている。また「さねかづら」は「さ寝」というベッドインの意味を掛けているという説明も参考書にはあった。「さねかづら」の蔓(つる)をたぐり寄せるように、人に知られず、あなたとの逢瀬をつくれないか。というのがいろいろな解釈の要約である。
「名にしおはば」は、「名にしおはばいざ言問はむ都鳥我が思ふ人はありやなしやと」(在原業平)がすぐに頭に浮かぶ。名前の通りならと呼びかけると「都鳥」が、ちゃんとそこにいてくれる。ところがここでは「逢坂山のさねかづら」が、どんな名前の通りなのか、訳もわからずここにある。想像の翼を勝手にひろげるしか仕方ない。男がさねかづらの蔓をたぐり寄せ、地面を這うようにして、人目を忍んで女に逢いに行く。そんな手立てはないものかと、思い惑う恋歌。それ以上のロマンもなにもあったもんじゃない。
by kumamotoyukioch
| 2018-07-02 20:42
| 文学