2018年 10月 13日
ふるさとさむく ころもうつなり |
小倉百人一首 歌番号=94
さんぎまさつね
参議雅経(新古今集)
み吉野の山の秋風さ夜ふけて
ふるさと寒く衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて
ふるさとさむく ころもうつなり
《我流抄訳》
吉野の山に
秋風が
吹きわたる
夜も更けて
誰かが砧を打つ
古里は
寒さにこごえる
《我流意訳》
秋風が吹きわたる
吉野の山の古里の
夜も更けて
衣打つきぬたの音も
寒さにこごえる
《内緒話》
ぼくは砧を打つ音(きぬたをうつおと)という言葉を知っていました。いつどこでなにから覚えた言葉なのかわかりませんが、太い棒で台にのせた衣服を叩くのです。洗濯の汚れ落としではなく、固い衣生地を柔らかくする作業ではないかと思います。静かな山里の秋の夜、家々から聞こえてくる砧の音が寒い。この山深い吉野の里は古代に応神、雄略、天武天皇の離宮があった聖地なので「ふるさと」だといわれます。いまは古びて静かに冬を迎えようとしています。この歌も、「古今集」の歌の本歌取りで、作者が実際に吉野で詠んだ歌ではありません。参議雅経(さんぎまさつね)藤原雅経(ふじわらのまさつね)は、藤原頼経(よりつね)の子で、後鳥羽院に気に入られ「新古今集」の撰者のひとりとなりました。和歌・蹴鞠の飛鳥井家を興したひとだそうです。
さんぎまさつね
参議雅経(新古今集)
み吉野の山の秋風さ夜ふけて
ふるさと寒く衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて
ふるさとさむく ころもうつなり
《我流抄訳》
吉野の山に
秋風が
吹きわたる
夜も更けて
誰かが砧を打つ
古里は
寒さにこごえる
《我流意訳》
秋風が吹きわたる
吉野の山の古里の
夜も更けて
衣打つきぬたの音も
寒さにこごえる
《内緒話》
ぼくは砧を打つ音(きぬたをうつおと)という言葉を知っていました。いつどこでなにから覚えた言葉なのかわかりませんが、太い棒で台にのせた衣服を叩くのです。洗濯の汚れ落としではなく、固い衣生地を柔らかくする作業ではないかと思います。静かな山里の秋の夜、家々から聞こえてくる砧の音が寒い。この山深い吉野の里は古代に応神、雄略、天武天皇の離宮があった聖地なので「ふるさと」だといわれます。いまは古びて静かに冬を迎えようとしています。この歌も、「古今集」の歌の本歌取りで、作者が実際に吉野で詠んだ歌ではありません。参議雅経(さんぎまさつね)藤原雅経(ふじわらのまさつね)は、藤原頼経(よりつね)の子で、後鳥羽院に気に入られ「新古今集」の撰者のひとりとなりました。和歌・蹴鞠の飛鳥井家を興したひとだそうです。
by kumamotoyukioch
| 2018-10-13 16:43
| 文学